第41回日本ニューロモデュレーション学会
会長 内山 卓也
近畿大学医学部脳神経外科 講師
このたび、第41回日本ニューロモデュレーション学会を、2027年5月22日(土)、堺市のフェニーチェ堺において開催させていただく運びとなりました。伝統ある本学会の大会長を拝命いたしましたことを大変光栄に存じますとともに、これまで本学会を支えてこられた諸先輩方、ならびに会員の皆様に深く敬意を表します。
本学会のテーマは、「神経機能の未来を拓く ~技術と臨床の融合~」といたしました。
ニューロモデュレーションは、神経科学と工学そして臨床医学が交差する領域として発展し、その中心である脳深部刺激療法、脊髄刺激療法、迷走神経刺激療法、髄腔内薬物投与療法は、多くの患者さんに新たな治療法として可能性をもたらしてきました。しかし、私たちが目指すべきものは、単なる技術の進歩ではありません。我々の使命は、「疾患を治療すること」の先にあります。失われた機能を取り戻し、苦痛を軽減し、その人らしい人生を支えること、すなわち神経機能の再建と生活の質の向上こそが、ニューロモデュレーション医療の本質であると考えています。
近年、デバイス技術の進歩は目覚ましく、センシング技術や閉ループ刺激、人工知能を活用した解析技術など、これまで想像もし得なかった新たな治療戦略が現実のものとなりつつあります。しかしながら、どれほど優れた技術であっても、それだけで患者を救うことはできません。患者一人ひとりに向き合い、その病態を理解し、適切な形で技術を活かしてこそ医療として価値を持ちます。
私はこれまで機能神経外科医として、多くの患者さんと向き合う中で、医療の進歩とは技術そのものではなく、「技術を通じて人を支える力」が進歩することであると学んできました。だからこそ本学会では、最新技術の紹介だけでなく、その技術をいかに臨床へ結び付け、患者利益へと昇華させるかについて議論したいと考えております。
また、ニューロモデュレーションの未来は、一つの専門領域だけで切り拓けるものではありません。脳神経外科医、麻酔科医、リハビリテーション医、看護師、臨床工学技士、リハビリテーション専門職、研究者、企業開発者など、多様な立場の知恵と経験が融合することで初めて新たな価値が創造されます。本学会がその出会いと交流の場となり、次世代のニューロモデュレーション医療を生み出す契機となることを願っております。
開催地である堺は、古くから国内外の文化や技術を受け入れ、新たな価値を創造してきた歴史を有する都市です。その進取の精神は、未来へ挑戦し続けるニューロモデュレーションの理念とも重なるように思います。
本学会が、これまで培われてきた知と経験を礎としながら、新たな技術と臨床の融合によって次の時代を切り拓く場となることを心より願っております。
全国の皆様と堺の地でお会いできますことを楽しみにしております。多くの皆様のご参加とご発表を心よりお待ち申し上げております。
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